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Webライターの酸いも甘いも伝える本企画「Webライター・インタビュー」。

 

第2回は自身をゆるゆる系ライターと語る中馬さりのさん。中馬さんがフリーランスライターとして活動するまでの経緯やそれまでの苦労、現在のこと、そして未来まで、中馬さんの知られざる素顔に迫ります。

 

「ライターという職業をメジャーにし、文章を書いて生きていきたい人が選択肢をもてる未来をつくりたい」そう願う理由とは? お話をお伺いしました。

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楽しいことを邪魔されたくない。物書きとして生きていくことを選んだ

中馬さんインタビュー画像1

– 本日はよろしくお願いいたします。まずお聞きしたいのは、小学生の頃に「物書きとして生きていきたい」と思ったとブログで書かれていますが、その理由を教えてください。

 

私の中では、とても自然な流れでした。
私の生まれは東京で、「こうあるべき」というのが強い家庭でした。例えば、子どもは勉強をするべき、親の言うことは聞くべき、というような。そして私もそれに従っていたんです。

 

私が小学生の頃、ゲームボーイが大流行したんです。同級生は次から次へと新しいソフトを買ってもらっていたんですけど、私は欲しいって我が儘がなかなか言いだせない。そんな内向的な子どもでしたからね。

そんな私が大好きだったのが本。小学生のときに連れていってもらった図書館は、まさに宝の山でした。テレビと違っていくら読んでも怒られないし、図書館で借りれば無料ですから、親に我が儘をいうミッションも起こらなかったので。

 

ただ、のめり込めばのめり込むほど、読む本が尽きてしまいました。仕入れ口は田舎の小さい図書館のみですから、新刊がさして入ってくるわけでもなかったので。我慢しきれなくなった私は、好きな小説の番外編や続編を作りはじめたんです。完全に、遊びの延長線上ですね。

でも、その遊びを続けているうちに「好きなものの延長線上で生きることができたらどんなに幸せだろう」と思い始めました。ただ、その頃の私は本当に内気。その思いは胸に秘めるだけで、両親にも言い出せませんでした。

 

– そのような背景があったのですね。自分で話を作ったということは賞に応募したのでしょうか?

 

そうですね。小学生の頃から、ミステリー小説を年に1本ペースで応募していました。といっても、携帯電話もパソコンもなかったので、作文用紙に手書き。応募要項も図書館に掲載される情報を紙にメモして持ち帰っていました。当時は手にペンだこがハッキリと染みついていたので、消えてよかったなと思います(笑)

 

– なぜそこまで中学生の中馬さんは、小説を書くことに夢中になっていたのでしょうか?

 

純粋に楽しかったのもありますが、文章を書いて生きる選択肢を小説家しか知らなかったからです。自分の好きに生きる方法が小説家しかないって心の底から思っていたから、体がついてきていました。

また、本当に生きていけるのかという不安もありましたし、厳格な両親を説得するためにも、文章を書くことは仕事として成立するんだ、お金を稼げるんだと示したくて無我夢中でした。

 

良い賞をとれば賞金がでるじゃないですか。あれを手にすれば、これで生きていくって宣言しても止められないだろうと思ったんです。

好きなものを好きと言いたくて、でも嫌われるのが怖くて誰にも言えなくて。なんとか周りを説得するためにしがみついた方法が小説だったんです。まあ、大前提として文章を作るというのが楽しくて楽しくて仕方がないんですけどね。

 

高校生で経験したのはライターとして大切な「合作」という意識

中馬さんインタビュー画像4

– 高校は一度、中退されたとお聞きしました。

 

そうなんです、高校生活を2倍楽しんでいます。

私にとって高校時代は転機の連続でした。まず、アルバイトを始め、携帯電話を手に入れます。そこで、インターネットと出会いました。

 

これが私にとっては革命でしたね。今まで手書きで書いていたのが嘘のように早く書けますし、小説投稿サイトにあげれば誰かが読んでコメントや番外編のリクエストをくれる。とにかく嬉しくて楽しくて、仕方がありませんでした。この頃から「誰かにお題をもらって書く楽しさ」に気付き始めていたのかも。

ただ、書いていたのは学校とアルバイトを済ませた真夜中。案の定、次の朝は起きれません(笑) 結局、1限目の単位が足りず、高校を中退しました。

 

2つ目の高校は通信制だったため、週に1度しか通学がありません。だから、自分に費やせる時間が一気に増えました。第二次革命です(笑)

また、通信制の高校で出会った友達は、とてもたくましかったんです。本来、高校に通う年齢でなくても、自分に必要だから選んで通ってきている同い年か年上の人ばかりでしたからね。彼らを見て、もっと自分がやりたいことに素直でいいんだって思いました。ここで人見知りも緩和され、改めて、文章を書いて生きていくにはどんな方法があるのかも考え始めました。

 

そして、その時には既にインターネットという強い味方がいたんです。なので、文章を書いて生きていく術は小説家だけではない、他の選択肢もあるんだと知ることができました。

中でもライターという職業は稼げるし、楽しく感じていた「誰かにお題をもらって書く仕事」だったんですよね。そうと決まれば時間がありますから即行動。初めてライターとしてお金をもらったのは高校生の頃、ランサーズを使った取引でした。

 

– 高校生でライターとしての一歩を踏んだわけですが、どのような心境でしたか?

 

お題をもらって書くことが楽しかったです。クライアントさんに褒めてもらえることが本当に嬉しかった。

今でも忘れないようにしていますが、インターネットを介していようがいまいが、やり取りの向こう側にいるのは人ですもんね。とにかくクライアントさんが求めている記事を具現化する意識で仕事をこなしていました。
これは、今まで内気で人より文章とかかわる時間が長かった功名かも。インターネット上のやり取りでも、そこには相手がいると思えてならないんですよね。

 

色々な経験をさせてもらった今は、Webサイトって「合作」だな~と思っています。ライターは、Webサイトの記事っていう1つの部品を作っている。さらに、他にも編集者さん、カメラマンさん、デザイナーさんといった沢山のプロがベストのものを出し合っている。ここに、自分がライターとして提供できるものは何だろう、活用できる経験や発想はあるかな・・・そういう意識をもって、案件のヒアリング、企画、執筆をしています。

 

カテゴライズは「中馬さりの」ライターとして生きる術は、できる範囲を広げること

中馬さんインタビュー画像6

– 高校を卒業してOLになりました。兼業ライターとして辛かったことや良かったことはありますか?

 

やりたい仕事を断ることです。自分が魅力を感じている仕事でも、平日昼間のアポイントは問答無用で断らなくてはいけない。午前中にもらった案件に手を付けるのは、最速でも終業時間の18時半を過ぎてから。それが心から悔しかったです。

 

ただ、メリットもあります。もともとOLを実際にやりたくて大学卒業後は就職をしたのですが、結局ライターやフリーランスとして仕事をし始めても、クライアントさんで最も多いのは会社勤めの方なんですよね。もっといえば読んでくれる読者さんにも、会社勤めの生活サイクルの方が多いんです。その人たちの生活サイクルや感覚を身をもって知れるだなんて、こんな大きなメリットはないと思っています。

 

– 中馬さんのライティングスタイルはジャンルに縛られない「何でも書くスタイル」だそうですが、それはなぜですか? 何かに専門性を出して書くことも可能だと思いますが。

 

自分の想像の範疇を脱したいのと、カテゴリーは後付けだと思っているからです。

自分のできる範囲だけで仕事を受けてしまうと、深堀りはできますが広がりはもてないと思います。そもそも、私自身が最初は知識も何もない根暗な女子高校生でした。そんな私がライターになれたのは、根気強く教え、経験をつませてくれた先輩ライターさんやクライアントさんがいたからです。

 

確かに、専門的な知識を武器にすると強いと思います。でも、誰だって初めは初心者です。色んなことに挑戦して模索していく中で、ピッタリのカテゴリーや専門性が後からついてくるのではないでしょうか。

 

ただ、嘘をつかないことは必須ですね。わからないことは、わからないと言う。絶対に知ったかぶりでは書きません。そのスタンスを守っていると、専門性がなくてもお仕事は頂けますよ。だって、プロの話を分かりやすく言いかえた文章にも需要がありますから。知らないからこそ疑問に思える点や、スッとはいってくる新しい例え話を思いついたり。いかに分かりやすく伝えられるかって勝負なんですけど、これこそライターという文章作成屋の専門性をだすところって思います。

 

– なるほど。中馬さんのスタイルは他のライターとは何か違うものを感じます。

 

うーん。実は、未だにライターと名のらせてもらうのも緊張します。今「中馬さりの」として生きるのに1番いい方法がライターだったんですよね。

 

「中馬さりの」というカテゴライズでいるために、ライターに間借りをさせてもらってる。今でこそ、電力関連や美容医療系、結婚式場やレストランなどのインタビュー記事、社交ダンス関連など・・・好きな分野で執筆させてもらっていますが、何かの専門ライターでもないですし、編集として入らせてもらってる裏方の仕事もすごく好きですね。

実名や顔出しにこだわってもいません。クライアントさんや外注をお願いしているライターさんが安心してくれたらいいなって思っているだけなんです。

 

ライターのセーフティーネットになるため、自分の声を大きくしてライターの楽しさを伝えたい

中馬さんインタビュー画像2

– 裏方で生きることに関わってくると思いますが、中馬さんのTwitterのつぶやきを拝見すると、ライターという職業をメジャーにしたい、ライターという職業はもっと知られてもいいとおっしゃっています。なぜ、そのように思っているのかを教えてください。

 

過去の経験からきていますね。

もし、高校生の時に自分がライターという選択肢に出会わなかったら・・・こんなに悲しいことはないなって思うんです。日本は本があふれていて、みんな文字が読めて文章が書ける。だから、これを仕事にしたいって人も多いんじゃないかなって思うんです。そういう人たちが知らなかったってだけで諦めないように、ライターって職業もアリなんだよ、楽しいよって発信しているのかも。

 

あと、私がライターを始めたころは「横文字の職業は信用ならない」、「人工知能ツールに取って代わられる」といったことを言われて悲しかったんです。当時は内気さもあいまって、何も言い返せなかったので。今だったら、稼げてますとか、楽しいんだからいいじゃんとか反論できる器量がついたんですけど(笑)

 

でも、内気じゃなくても始めたばかりの頃は誰だって不安。褒め言葉より悪口が目について落ち込むこともあると思うんです。でも、そんなときに末端のライターとはいえ楽しそうにしている私がいたら、元気になるライターさんもいるかなって思うんです。

 

– これからのことを教えていただきたいです。来年のテーマはシンプルだとおっしゃっていますが、シンプルとは何を意味するのかを教えてください。

中馬さんインタビュー画像9

シンプルの意味・・・言い換えれば「好きなことしかしない」ですね。

兼業のときに、時間が足りず好きなことを断るのが辛かったと言いましたが、あれはデメリットでありメリットでもありました。

 

というのも、フリーランスになって兼業の時期よりも自分の意志で自由にできるお金や時間が増えたのですが・・・。増えたからこそ、優先順位を自分の中でハッキリさせておかなくては流されてしまうんですよね。付き合いだからとか、お金に余裕があるからという理由で必要のないものに消費してしまったり。ちょっと疑わしいけど報酬が良いからと契約したら、意思疎通がとりきれず両者にとって良い方向に進まなかったり。

 

もともと直感タイプなのと、引き寄せの法則を意識しているのも相まってでしょうか。変な理由をつけず、シンプルに好きなことに素直になります!ようやくここに辿りついたかって感じですが(笑)来年はもっと「中馬さりの」をやっていきます。

 

– 最後に、中馬さんが思うライターとして稼ぐコツを教えてください。

 

ファンを増やしましょう。純粋な読者さんも嬉しいですが、まず「あなたに頼みたい」「あなたと仕事したい」というファン兼クライアントさんを増やすのが近道です。

具体的には、クライアントさんの欲しいものを想像することが重要です。クライアントさんが求めているものを察して具現化する。余力があれば、クライアントさんの状況も聞いて喜びそうなものも提案してみる。

 

いわば恋人の笑顔が見たくて、晩御飯をつくる感じ。カレーが食べたいクライアントさんにはカレーを、好みの辛さや味付けで。プラスで、そういえば明日は休みらしいからビールも用意しておこう、みたいな。自分だからできるオリジナルな目線や言い回しを、少しだけ隠し味としていれるんです。

まあ、だから、どうあがいたって波長が合わない人もいると思います。そういう無理な恋愛は身を亡ぼすだけ。クライアントさんにとっても自分にとっても消耗戦ですし、初恋、しかも初めての晩御飯でうまくいくのは稀です。試行錯誤を重ねていきましょう。

 

また、普段の言葉の表現をちょっとだけプラスの方向に意識を飛ばすのもいいと思います。
例えば、「〜したい」ではなく「〜する」、高単価案件ないかなと「ない状態」を探すのではなく、●円以上の案件はあるかなと「ある状態」を探したり。自分が使う言葉を明確に。書くときはもちろん、声に出すときも何をどうしたいのかを意識しています。

私、とっても人に恵まれているんです。生まれつき対人運がよくて。しかも『事実は小説よりも奇なり』ですから、自分が表現する小説(言葉)をポジティブに面白くできれば事実(現実)はより楽しくなると思うんです!

 

– 本日は大変、有意義なお話を聞くことができました。本当にありがとうございました。

中馬さりの(@chuuuuuman)さん

【ブログ】トナリの中馬。

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