「こんなんじゃダメです。こんな文章じゃお金払えないです」

「意味わかんないです。この文章。なんなんですかこれ」

と言われたことがあります。

 

フリーライターとして活動して数ヶ月の頃。これまで「執筆→フィードバック少しだけ→入稿へ」という、今思えばぬるい流れで納品をしていました。

フィードバックがない文章ばかり書いているのに、自分は「このクオリティでいいんだ!よっしゃ!いけるぞ!」と、自分自身、悪い意味で調子に乗っていた時期でした。

 

今考えると、ぬるい記事でお金を貰おうとしていた自分が情けない。直球で文章にダメ出しをくらった体験は今でも覚えています。そんな厳しい時期を一緒に乗り越え、自分の文章を少しずつ変えてくれたのが「20歳の自分に受けさせたい文章講義」という本でした。

 

私はこの本を読んで、「ライターではないすべての人」にも心からおすすめできる本だと確信しました。

 

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「書く技術」は一生使える武器になる。「20歳の自分に受けさせたい文章講義」とは?

この本を書いたのは、株式会社バトンズの代表でライターである古賀史健(こがふみたけ)さん。古賀史健さんといえば、岸見一郎さんと共著した「嫌われる勇気」の著者の方として有名です。

私が尊敬するライターさんの1人であり、何よりも古賀さんが書く文章が好き。特に、古賀さんが毎日のように書いているnoteは面白いです。

→ note | 古賀史健

 

自分の下手な(今もだけど)文章を変えたい。じゃあ、どうすればいいのか? と考えたときに「この本おすすめだよ」と教えていただいたのが、「20歳の自分に受けさせたい文章講義」でした。

 

はっきり言って、ライターとして書くスキルを身に付けたいなら、この本1冊あれば何も要らない。

と思っています。大げさに聞こえますか? いえ、本気で私はそう思うのです。

 

「20歳の自分に受けさせたい文章講義」を開くと、

「書く技術」は、一生使える”武器”になる

と書かれています。

私がライターをしていて感じるのは、書く技術を持っておくのはまったく損にならないということ。ライターとして書く記事、クライアントとのメールやチャットのやり取り、LINEやTwitterの文章、あらゆるところで書くことは求められています。そして、文章はその人の心情・感情・性格を映し出します。

本書を読んで改めて「書く技術」は一生使える武器になるのだと感じました。

 

「20歳の自分に受けさせたい文章講義」に読み飛ばす箇所はない

色んな本を読んでいると「ま、ここは読み飛ばしていいかな」と思う本もあります。

しかし、本書は捨てるところ・読み飛ばしていいところなんてありません。なぜなら、第1講から第4講までを順番に読んでいくのが、書くスキルを身につける大切なポイントだからです。きちんと順番通りに文章講義を受けていけば、最終的に「書く」スキルが身につけられます。

 

以下が4つの講です。「文章目線→構成目線→読者目線→原稿(編集)目線」で展開していきます。

  • 第1講 文章は「リズム」で決まる
  • 第2講 構成は「眼」で考える
  • 第3講 読者の「椅子」に座る
  • 第4講 原稿に「ハサミ」を入れる

 

読んでいて私はしびれました。頭では分かっていたつもりのところも、本書の中では敢えて厳しい言葉で伝えてくれるのですから。だから、読み飛ばすなんてもったいないんです。しっかりと受け止めてください。

 

面倒くさい部分を書くことが伝える文章になる

文章書いていると「この文の意味することくらいは分かるでしょう」と、そのまま書いてしまうときはありませんか? ついつい甘えてしまう。

 

でも、それは自分の頭の中では分かっているだけで、実際に読む人からすれば伝わっていないことが多いです。このことについて、「20歳の自分に受けさせたい文章講義」ではこのように書かれています。

文章は”面倒くさい細部”を描いてこそ、リアリティを獲得する。そして”面倒くさい細部”の描写によって得られたリアリティは、読者の理解を促し、文章の説得力を強化するのだ。

p.143 より

 

まったくそう。なぜ伝わらないのか考えると「面倒くさい細部」を描いていないからです。面倒くさい細部を描くことで文章の説得力が増します。説得力のある文章は、人を惹きつけるから読まれるのです。

 

私はこの部分や前後の文章を読んで納得しました。文章の本来の目的は伝えること。だからこそ、面倒くさい部分も書くのが必要なんです。「本当にこの文章は読者に伝わる?」「独りよがりになっていない?」と常に問いかけること。

私は書いた文章をじっくりと読んで「面倒くさい部分を開く」ことで、文章力アップに繋げました。

 

「読者目線になって文章を書く」とはどういうことなのか

ブログやライティング業をしていると、よく耳にしたり記事で書かれているのが「読者目線になって書く」ということ。でも、本音を言うと当時はよく分かっていませんでした。

読者目線について「20歳の自分に受けさせたい文章講義」では、このように書かれていました。

読者をイメージするだけでなく「読者の椅子」に座っているだろうか?

(中略)

アマチュアだとうとプロだろうと、メールだろうと小説だろうと、あらゆる文章の先にそれを読む”読者”がいるのだ。たとえば、一生誰にも魅せない日記にだって、読者は存在している。他でもない”自分”という読者だ。

p.157~p.158

 

この文章の前から展開される話、そして引用した文、さらに先を読み進めていけば「読者目線」とは?「読者の椅子に座る」とはどういうことなのかが分かります。

読者目線については第3講まるまる書かれているほど。説得力のある言葉と例を出しながら、古賀さんは講義してくれます。それだけ「読者目線」がいかに大切であるのかを伝えてくれているのです。

 

読者の椅子に座って書くのは容易なことではありません。でも難しいからこそ、日々考えるしかありませんし頭を使い続けるしかないと、本書を読んで気付かされました。それが分かっただけでも、私はこの本を買う価値は充分にあったと感じます。

 

「ゴールまでの道のり」を示すことが文章の役割

なぜ私たちは文章を書くのでしょうか?

答えがあるものなら文章は要りません。答えだけ書けばいいのですから、箇条書きや一文でおしまいでいいはず。わざわざ長々と書く必要もない。

 

そのような問いに対して「20歳の自分に受けさせたい文章講義」では、このように書かれています。

読者にゴール地点を見せるのが目的ではなく、「ゴールまでの道のり」を示すことが文章の役割なのだ。

p.212

 

この引用文は取材の話の流れから出てきた文でした。ここを読んだとき私は恥ずかしくなりました。なぜなら、これを知るまで私は「答えを書く」のが文章だと思っていたのです。答えだけを出すために文章を書く、ゴールはこれなんだよと読者に伝えるのが文章なんだと。

でも、古賀さんはそうではないと言います。「ゴールまでの道のり」を示すのが文章の役割であると。

 

思えば納得です。例えばインタビュー記事の面白さは、これに当てはまります。

その人(企業)がなぜこのように考えたのか・この結論を出したのか・ここにいるのかを描き出すのがインタビュー記事です。答えを出しながら展開して執筆を進めることもありますが、インタビュー記事で書く文章は「ゴールまでの道のり」を示すものが多くあります。

 

文章の本当の役割を理解せずに書いていた自分に反省をしました。私はこの文を読んでからインタビュー記事を書くときは「ゴールまでの道のり」を示すことを意識しています。

合わせて読みたい

 

さらに読み進めていくと厳しい一文も。まだまだ精進せねば。

答えだけを求め、自分で解くことをサボった文章には、必ずほころびが出る。

p.213

 

あなたは「なぜこの一文がここに入るのか」を説明できますか?

これは実際にあった編集者さんとのやり取りです。

「この記事にはこのような文がありますけど、なんでこの文を入れたのですか? いりますかこの文?冗長です。」

「いえ…いりません…はい。かしこまりました。」

 

なんとなくで入れてしまった文や勢いや流れで書いてしまった文を、そのままにして納得してしまうことはありませんか? 私はあります。

 

第4講は原稿の推敲・編集について書かれています。推敲する段階でその「何となく入れた文」は不必要な場合が多いです。「20歳の自分に受けさせたい文章講義」の中の特にこの文は、いつ読んでも身の引き締まる思いです。

「なぜここにこの一文が入るのか」、あるいは「なぜここにこの一文が入らないのか」をしっかりと説明できる自分であらねばならない

p.247

 

執筆した一文一文をひとつずつ見ていくようになったのは、本書のおかげでした。面白くない文章は大抵が冗長であると言い切る、古賀さんの言葉が胸に刺さります。

ライティング力を磨きたいなら「この文がもったない」なんていりません。あくまでも文章の面白さ、読みやすさ、書かれた内容について文章は評価を下すものだからこそ、「あなたの書いたこの一文がここに入る理由」を、きちんと答えられるかが良い文章であると、古賀さんは伝えています。

 

私はこの文を読んだ後、実際に記事を書いてじっくりと推敲しハサミを入れることで、以前より格段に文章のミスが減りました。本当に読んでよかったです。

 

さいごに。いい文章を書きたい人におすすめしたい

「20歳の自分に受けさせたい文章講義」を読んでから数ヶ月が経っていますが、今でも私は困ったら読み返し、自分に落とし込んでライティングに生かしています。

 

この本を読んで「文章を書くとは何か」や、「ライターとして持つべきスキル」を考えさせられました。そして、本書の最後で古賀さんは「いい文章とはなにか」を述べています。気になるこの部分は、本書をぜひ手に取って読んでほしいです。

 

また、ライターになりたい・ライティングを武器にしたい人は必読です。いい文章を書きたい人、そして、ライターではないすべての人にも、私は心から「20歳の自分に受けさせたい文章講義」をおすすめします。

 

それではまた。

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