旅は元々好きなのだと思う。

部屋があまり快適ではないのが理由であり、風もあまり通らない空間でやる作業は、とても心も脳も閉じこめた感覚に陥ってしまう。

仕方がないのだけれど、休みの日は外へ出たい。行きたい街だってある。アイスランド、トルコ、スペイン、アメリカのポートランドだって行きたい。

尊敬する起業家がいる。その方はグレハム・ヒル(Graham Hill)さん。彼の立ち上げたTreeHugger.comは世界有数のエコロジーブログサイトとして名を馳せている。

参考→TreeHugger.com

それを知るようになり、あまり得意ではない英語を何とか訳しながら読んでみたりした。そこから少しずつ少しずつ環境問題のことについて考えるようになった。

どうも。たろう(@v_varentaro)です。

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グリーン・ネイバー・フッド/GREEN NEIGHBOR HOOD.

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環境問題のことに目を向けながらも、直接的な関係はないものの私はこの本に何故か辿り着いた。この本で取り上げられているポートランドのライフスタイルに徐々に惹かれて行った。そう、恋をした。

大阪のスタンダードブックストアで手に取ったこの1冊は、私にとっては大切でいつまでも持っていたい1冊となっている。

この本をきっかけにポートランドへの想いが芽生え、ライフスタイルやシンプルに生きることの力になっているのは間違いない。

どうやら『simple is better,small is better』なライフスタイルは流行となっているらしい。

アメリカのポートランドやブルックリンから発信されるライフスタイルの提案は、実は非常に素晴らしいことはこの本を読んで見れば一目瞭然である。

ポートランドを知りたければこの1冊は読んでおくべき。それが、この本である。

 

独自のライフスタイルとコミュニティが確立されつつある。

読んでみると、背伸びなど必要はない独特なライフスタイルとコミュニティ感覚がポートランドには芽生えていることを実感出来る。実際に起こっていて、しっかりとした都市再生事業が確立されていた。

例えば、オレゴン州(ポートランドはオレゴン州最大の都市。)の土地利用制度 『土地境界線』 が挙げられる。自然環境保存と経済発展の双方のバランスを保つことを目的とし、都市化が可能な土地とそれ以外の土地とを明確に区別した都市政策である。

郊外へと広がる開発を抑制し、生活関連施設などを中心部に集中させるというコンパクトシティを目指している。

日本では富山県富山市がコンパクトシティの開発に注力している。(数年前の出来事、今は問題が多く、断念傾向にあるとのこと。)

新しく建物を建てることを極力避け、老朽化した建物を新しく生まれ変わらせることとミクストユーズ開発を用いて、建物の利便性を上げていくことでコンパクトシティ開発を支えている。

都市と自然を分けながらも共存させることにより、ポートランド市民には『ローカル志向、地元優先の精神』が芽生えてくる。自然から育まれた新鮮な食材を用いることで地元の製品、地元の企業を優先しながら、街の誇りを持って独自のライフスタイルを確立させている。

 

「消費や所有を越えたところの何か」を楽しむ暮らしという価値観。

クールである。格好良い街でないと住む人も面白くないはずだ。魅力的でないと移住したい人もなかなか出てこないはずだ。

パール・ディストリクトというエリアはポートランド独自の特徴が色濃く残っている。月単位でイベントがありファーマーズマーケットや幾多のブロックパーティ(アートをテーマにしたファーストサーズデイというイベント)が開催される。街が1つとなって協力し息づいていることを読みながら感じる。

まだ序盤ながら実に感銘を受ける部分が多い。私はまた虜になっていく。

「消費や所有を越えたところの何か」を楽しむ暮らしという価値観があるような気がしてならない。

著者である吹田さんが書いたこの1文こそが、これからの私たちのライススタイルを考える上で重要になっていく部分だろう。

この本は、まるで写真集のように魅力的な街や自然の風景の写真が途中に挟まれている。刺激と落ち着きを得ながら見る。本をめくるページを少し止めて浸ることだって出来る。

 

ポートランドに新しい都市想像がある理由。

緑と隣り合わせ、環境と共生して生きる時代の新しい都市生活像がポートランドにはある。

著者の吹田さんが仮説した切り口を集約した3つの章立てと内容をここから紹介したい。

1. アーバンネイバーフッド/Urban Neighborhood

典型的なアメリカのネイバーフッドとは異なり存在する、都市部を舞台に都市居住者で構成される世間である。

都市を支えるのはデベロッパーのセンスが重要である。つまりは『人間力』がキーワード。実際にその土地に住み、その土地でどのような生活や日常が営まれているかを、くみ取り開発していく。

ここではホイト社という企業が根付いている。公共的センスを持つ民間デベロッパーといえるホイト社が行政と何度も話し合い、手を組み、現在のポートランドの生活を支えているのである。

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人々が地上を歩いている時に、そこを安全と感じられるか、そこに楽しさを見出せられるか、再び訪れたいと思うか、すべては地上から30フィート(約9m)の世界で決まる。建物はほとんど重要ではない。そこにコミュニティが生まれるかどうかは、建物以外の全てのことのほうが大切なんだ。

ホイト社の創業メンバーの一人であるホーマー・ウィリアムス氏の談話から印象的だった1文。

都市開発という視点からは、どうも建物を重視しうる傾向があるように思える。しかし、建物も大切ではあるが、重要なのは建物と建物の間の空間で起こるコミュニティであることを改めて考えさせられた。

街を歩き、そこに充実感を見つけられたのなら、それでもう十分なのだなと思う。

更にこの章ではライフスタイルの充実を図る様々なイベントや場所も紹介されている。例えば、世界屈指の自転車都市として名を馳せるポートランドだからこそ行われる市街地レースのPortland Twilight Criteriumや、夏に一斉に開かれるオープンルームイベント、ブックラバーの聖地であるPowell’s Books、モダンボヘミアンが多く訪れるエースホテルなど写真付で詳細に書かれている。

ポートランドには都市開発によって街が変化したことで単純に歩きやすくなった「ウォーカビリティ」、その歩きやすさによって異なる様々な人と出会いやすく、それを住民たちが積極的に受け入れ、刺激を自らの糧とする「ミクストユーズ」、そんな空気を好む人達が集まり価値観の共有、そして自立しながら連携するというような絶妙なバランスを成立させるだけの要役という存在である「クリエイティビティ」3つの要素が常に備わっている。

 

2.クリエイティブ・シンカ―の棲むところ/Creative Thinkers

『クリエイティブシンカー』とは創造的思考に長けた人を意味するだ。

創造的思考に長けた人とは誰かを考えてみると、芸術家や音楽家のようなアーティストなのかなと私は考えた。この章を読み進めていくうちにポートランドは、そんなクリエイティブ・シンカ―に寛容である実態が見えてきた。

ポートランドのパール・ディストリクト地区に会社を構えるクリエイティブエージェンシーのトップブランドであるワイデン+ケネディ(W+K)。そのディレクターであるジョン・ジェイ氏(当時)は、街とクリエイティビティとの良好な関係について、こう述べています。

誤解してはならないのは、街に立派なミュージアムを誘致することが、都市をクリエイティブにする要因とはならないということです。大事なのは常にストリートに芽生えるユーススピリットのほうだということを肝に命じる必要があります。彼らがその気になって動きはじめなければ、社会的な新しいムーブメントは決して起こらないのです。

この文章を読んで、まさにそうだなと頷いた。

お互いが理想とする環境を想像し努力しない限り、理想も夢に終わる。その為にもW+Kのオフィスにはコモンエリアやカフェの設備、スクーリングプログラムの実施等がされている。これも本の中で写真付きで明確に分かる。

更に、パール・ディストリクトには若手アーティスト達の発表機会として、月に1度、街のギャラリーを構えるアーティスト達が集いオープンギャラリーとして『ファーストサーズデー』を開催しています。広域からも人が訪れ2万人の人々が訪れる一大イベントとして毎回賑わっている。

もちろん、クリエイティブシンカ―が生まれる場所も紹介されている。それは独立系アートカレッジ『PNCA(パシフィック・ノースウェスト・カレッジ・オブ・アート)』です。卒業生であり、入学カウンセラーであるパトリック・メルロイ氏はPNCAが街にどのような作用を及ぼしているのかという問いに対して、

クリエイティブなコミュニティの核となって、ルーティーンな日常生活やドライな毎日に対して特別な刺激(エキストラスパイス)を与えていると思うよ。

だからこそ、ポートランド市民は地元を愛し、楽しんでいるかもしれないなとこの1文で感じた。

変化の無い日常を過ごすのもありなのかもしれませんが、誰しも何か日常に変化や楽しみ、刺激が欲しいと感じていると私は思っている。何もないより、何か面白いことやハプニングがあった方が人生は楽しいはず。それが根付いているこの地の住民に少し羨ましさも感じた。

私自身が今住んでいる場所(当時)は数年前からアートを誘致する活動が行われています。数年前から芸術祭も開催されています。

例えばもし、パール・ディストリクトのようなアートカレッジが出来たりオープンギャラリーが開かれることになれば、もっともっと面白い場所になるのではないかなと単純で安易ながら考えしまった。どうでしょう、この考えは無駄でしょうか?

 

3.エコエピキュリアン/Eco Epicurian

エコ、つまりオーガニック志向、環境重視であること。頭ではなく舌が決める社会がポートランドには存在している。日本でもそのような志向がここ最近重視されているので、是非参考にしたい章である。

エコムーブメントの震源地として『ジーン・ボリューム・ナチュラル・キャピタル・センター』が紹介されています。

この施設はオフィスビルでも、ショッピングモールでもない。むしろ、そのどちらも網羅した業種多様性の施設である。環境保護活動や社会的責任ある行動に関するアイデア、商品、サービスが集まるところとなり、毎年、ファーマーズマーケットもここで行われている。まさに住民のエコ意識を高める場所となっているのです。

更に、この章では地産地消、食品の安心安全を信念にしたポートランドのレストランやカフェが写真付で紹介されている。

それから、食だけではありません。車依存の意識を持たないポートランドでは自転車が非常に盛んであることは、市街地レースの開催からも読み取れます。

世界でも一目置かれる自転車メーカーが名を連ねています。例えば、『Vanilla Bicycles』や『AHEARNE CYCLES』のように。

 

さいごに。

Do you have your Third-place? 公立図書館であれ居酒屋であれ、日常から離れ、一人黙して熟考できる場所を持っているか否か。それが分水嶺。

実は、このブログのタイトルはこの文章から拝借させていただいた。筆者である吹田さんのこの文章に感銘を受けたのです。第3の場所を持つことは、もっと自分自身に問いかけて、自分を知ることが出来る、高めることが出来るかもしれません。

1章ずつ紐解いてみると、また更に深く深くポートランドについて知りたくなった。何度読んでも面白いと私は感じている。興味のある方は、是非読んでほしい1冊。

それと同時に、この地への憧れと一度自分の目で確かめてみたいと強く感じた。日々変わりつつあるであろうポートランドの変化を、私は感じたいと思った。旅に出たくなった。

是非、この目で確かめたことをこのブログでもいつか紹介出来たらと思い馳せつつ、今日も日々を過ごしていきます。

それではまた。

 

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浦川たろう

1989年生。スペインを愛すフリーランスライター・ブロガー。2017年11月からスペインワーキングホリデーを使い、1年間のスペイン滞在中(バレンシア在住)。 WEBライティング(SEO、LP等)、取材記事、インタビュー記事執筆が得意。 ▷▷ お問い合わせ先(執筆依頼・PR記事広告依頼・各種ご相談)  ▷▷ スペイン・ワーホリビザ相談・サポートサービス  
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