スペイン在住者インタビュー第2弾。セビージャでフラメンコを学ぶmoniさんへのインタビュー後編をお送りします。

前編では学ぶフラメンコの魅力について、教えていただきました。

参考:フラメンコは人生そのもの。セビージャでフラメンコを学ぶ moniさんにインタビュー【前編】

 

後編では移住2年目を迎えたセビージャについてお聞きします。セビージャに来て感じた日本人とアンダルシアの人たちとの違い、経験した苦労、そして、街の魅力についてお伺いしました。

 

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アンダルシア州の生活に慣れると日本に帰れない。スペインで学んだ忍耐強さ

 

浦川:セビージャに来て、日本と違うなと思ったことはありますか?

moni:忍耐が必要だなと思いました。(笑) 例えば、スーパーのレジの混み具合とか、郵便局の対応の遅さとか… みんな忍耐強いなと思いましたよ。でも、友達のスペイン人にこのことを話すと、「それはね、日本のような効率化された仕組みを知らないだけだよ」って。(笑)

アンダルシア州の人たちが特にそうなのかもしれないです。だから、セビージャに来たら、何十年か前の日本に来たような感じがするとおもいます。コンビニはないし、日曜日にお店は開いていないわけで。でも、アンダルシア州の生活に慣れると、日本に帰れない気がしますね。

 

浦川:(笑)そうなんですか? 日本に帰れないと思う理由を具体的に教えてください。

moni:例えば、日本で仕事していた時の例を思い出すと、1日でもメールの返信をしないと、「どうなっている?」と詰め寄られたりしますよね。でも、アンダルシアの人たちの「すぐに連絡します」は、大体、1週間くらいだと思います。(笑)

だから、その感覚に慣れてしまうと、日本には帰れないんじゃないかなあ。

 

ですから、アンダルシアの人たちの時間にルーズなところには慣れました。人によりますけど、友達と「3時に待ち合わせね!」と言っても来ないとかね。来ないなと思って連絡したら3時から用意していたり。(笑)

だから、私は「ああ、この人はこういう人なんだなあ」と思うようにしてます。

予定はあってないようなもので。「〇〇に行こうよ!」と言われても、普通に来なかったりするので、基本的に当日、確認するまで信用していないです。(笑)

ほんと、予定は立てにくいですよ。でもそれに慣れました。

 

セビージャに住んでいるからわかった。その通りにやる日本人と臨機応変なスペイン人

 

浦川:日本人とスペイン人(アンダルシアの人)という観点から何か気づいたことはありますか?

moni日本人って自分の意見を言うのは苦手なんだなと思います。今の自分も会話に割り込んで入るような、話のスキルはないですけど。

例えば、フラメンコを学んでいる学校に以前、取材が来たんです。その取材は、いろんな国の人にフラメンコについて聞くといった内容でした。

取材班の人は、欧米出身の人たちや南米出身の人たちにフラメンコについて聞いてまわる感じ。

そのとき、同じクラスの欧米や南米出身の人たちは、自分の国の話や、フラメンコの話がどんどん出てくるんです。

でも、「なんで日本人はフラメンコが好きなんですか?」と質問された時に、日本人の私や友人はそれに対して深く考えたことがなくて、固まった経験があります。(笑)

 

浦川:たしかに、自分の国のことを分からないって日本人では多そうですね。

moni:たぶん、ディベートをする機会があまりないからだと思います。日本人は先生の言うことをしっかり聞いて守るけど、欧米の人は自分の意見を先生に物申したりしますから。ああ。だから、「Es que…」を言えと言われますね。

 

浦川:エス・ケ(Es que..)?

moni:例えば、日本では何か誘いを受けたとして「ごめん!今日は行けないんだ。」と言えば、相手が「ああ、そうなんだ」で終わりますよね。

でも、スペインではEs queを使って理由を付けるのが必要だと言われました。「今日は友人と約束していて…」とか、そういった理由を付けないと失礼になると思います。

※ Es que…(実は…なんです・なのです。という意味)

 

浦川:他には何か思い当たる気づいたことはありますか?

moni:そういえば、この前、あるタブラオに行ったときにオーナーに言われたのが、

「日本人って旅行の予定を立てるとき、細かく予定を決めるよね。アンダルシアの人たちはざっくりとした感じで、マドリードに行こうとかグラナダに行こうといった土地だけは決めるけど。

でも、日本人みたいに『グラナダのアルハンブラ宮殿の近くの〇〇のバルには行こう』みたいに、細かく決めることはしない。その時の気分もあるし、行く場所で何時間滞在するかは、そのときの気分次第だしね。ほんと、日本人はすごいよね。」

と言っていました。

 

そういうアンダルシアの人のざっくりした考えは、フラメンコにも通じるなと思います。例えばタブラオのフラメンコは基本的に予行演習などをしていないです。

バイラオール/ラは何の曲を踊るかと簡単な構成くらいは説明するかもしれないけど、それ以外は即興です。カンタオール/ラのその時の感覚で歌の長さも変わるし、バイラオール/ラがどのように感じて踊るかはその時次第なので、その場に応じて対応するような形でアーティストたちは即興をしています。

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だから、スペイン人の臨機応変に対応する力は、そういうところに現れていると私は思っています。日本人は教えられた通りにやるのは上手だけど、例えば聞いたことがない歌になると戸惑ってしまったりします。私もよくなります。

逆に、スペイン人は教えられたことはすぐ忘れたりするけど、即興でうまく合わせるのが得意な気がします。

フラメンコは歌を聴いて振り付けが出てくるのではなくて、歌を聴いて「感じて」、自然とパソが出てくるような感覚なんですよね。フラメンコに生きる人たちはその感覚で踊っているのだと思います。だから、毎回、歌い方も踊り方も違います。何やったかなんて覚えていないんです。

 

浦川:moniさんのフラメンコの目標はありますか?

moni:うーん。フラメンコの目標よりも、今のところはセビージャでずっと暮らしていきたいという思いが強いかなと思います。なぜなら、自然に生まれるフラメンコを見るのが好きだから。

 

セビージャの街に恋する人が多い。あったかい人たちと明るい雰囲気が魅力

 

浦川:そこまでmoniさんを惹きつけるセビージャの魅力を教えてください。

moni:マドリード・バルセロナと比べると、街自体が適度なコンパクトさがあるところですね。あと、あったかくて明るい雰囲気の人たちが多いところ。

例えば、街を歩いていたら、いきなりバイクが私の隣に来て「Hola Guapa!(やあ!お嬢ちゃん綺麗だね!)」と言ってきたり。(笑)人懐っこさがいいですね。

あと、インターナショナルな街だなとも思います。私の印象ですけど、外国人に対してひらけていると思いますね。日本人だから受けつけないというのは感じたことがないかなと思います。

 

浦川:私が1ヶ月間セビージャに滞在した印象として、スリや置き引きなども無くて安全だなと感じました。

moni:そうですね。安全性は高いと思います。私も今までは1回もスリにあったことがないですしね。もちろん、全員が全員良い人ではないと思いますけど、そういう人はあんまり見てはいないですね。

外国人の私でも気軽に家に招待してもらえたりします。「今度、うちに遊びに来てくださいね」って話になると、本気でそう思っていますから、クリスマスの家族とのお食事に招いていただいたりしました。

あとは、友達の家に遊びに行ったり、夜にディスコに行ったりね。(私はディスコテカはほとんど行かないですが・・・)せっかくセビージャにいるのだから、ここでしか経験できないようなことを積極的にしていこうと思っています。

 

浦川:そうですよね。確かに大事ですね。ということは、セビージャでたくさんの知り合いや友達ができたのですね?

moni:そうですね。私は良い友達に恵まれたなと思います。私のことをいろいろと気にしてくれたり、誘ってくれたりする友達が多いです。

そういうのも含めて、セビージャって私はすごくいい街だと思います。セビージャはセビリア大聖堂とか、トリアナにあるイサベル二世橋とか見どころはあります。

でも、何かがあるからというよりも、セビージャ自体に恋する人が多いです。本当に過ごしやすいし、生活しやすいし、街の雰囲気も良い。セビージャに住むと恋しちゃう人が多くて、知り合いの外国人でもセビージャに恋をして何十年も住んでいる人も多いくらい。

だから、セビージャに滞在したときは、観光地に行くのももちろん良いですけど、現地の人と一緒に生活を体験するのが良いと思いますね。セビージャは暮らすほうが、ずっと素敵な街だと思います。

例えば、トリアナやアラメダなどで友達と一緒にお酒を飲んだり、グアダルキビル川沿いの芝生で一緒にぐだーっとするとかね。(笑)

 

今を楽しく生きる。目標や将来よりも今はセビージャに住み続けたい

浦川:その過ごし方、個人的に早く聞きたかったです。(笑) moniさんは今、セビージャ2年目ですけど、いずれは永住を考えているのですか?

moni:うーん。永住はしたいですけど、永住権を取得するのはなかなか難しいかなと思っています。結婚とかしないと。笑。

 

浦川:そうですよね。結婚という現実がありますよね。

moni:結婚とかを考えるとスペイン人男性と付き合うのを考えるわけで。セビージャに来て日本人と違うなと感じたのは、スペイン人の人たちは家族の結びつきが強いってところ。

例えば、家から車で10分のところに親が住んでいるのに毎日電話するとか、週3ペースで親の家にご飯食べに行くとか。それって、日本人からしたら「え?」って思うじゃないですか?

でも、スペインの人からしたら普通なんですよね。1週間とか連絡しなかったら親不孝者になると思うんですよね。

だから、結婚とか考えると、スペイン人は恋人同士でもいつも一緒にいるイメージがあります。例えば、友達と飲みに行くとなると、彼氏も連れて行っちゃうわけで。でも、私はもっと自由な方がいいです。(笑)

 

浦川:ははは。(笑)ハードルが高いですね。でも、やっぱりスペインには居たい?

moni:はい。居たいですね。アンダルシア州が良いです。たぶんマドリードとかバルセロナはアンダルシア州より、仕事が多いと思うんですけどね。やっぱり私はセビージャに恋をしているので。

スペインでの目標とかフラメンコの目標とか友達に聞かれますけど、とにかく今は、セビージャに住み続けたいと思っています。

 

moniさん

◆ Twitter → @moni0623

◆ ブログ→ 急がば回れ! | 33歳で会社を辞めてスペインのセビージャで修行中。のブログ

(文・写真/浦川俊平 取材場所/アラメダ地区・Bar Sacramento

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